星崎レンスターズ [神慮の機械外郭]

サークル「神慮の機械」装丁人兼雑文係・10年来の同人二次小説屋の星崎連維が共和国の下僕として作品や同人話をしてます。なかみはようかん。

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蓮ノ空活動記録第15話感想:梢の「運命の人」の本当の意味

蓮ノ空活動記録第15話は、ラブライブ!決勝敗退後のお話でした。

どの子にもそれぞれの感情があって全員に心を揺さぶられたけど。
蓮ノ空の今日までの根底にあったのは乙宗梢の始めた物語、そう分からされる話でした。

(この記事はふせったーに記載したものを改筆したものです)
https://twitter.com/rennstars/status/1744285761657332011


目次:

包み隠されてきた絶望、本気にしてこなかった切望

「勝たなければ、優勝しなければ、私には何もない」

自分たちもあの場の花帆と同じく、梢のその熱望も覚悟も、そしてその上で彼女がずっと「何も得られないまま何かを犠牲にし続けてきただけ」──そう梢自身が思ってきたということを、本当の意味では分かってなかったんじゃないかと思うのです。

過去のスクールアイドルたちが得てきた「なにか」が詰まった一冊のノート

「何もない、本当に欲しかったものは手に入らない」

なぜ梢は綴理に憧れ、でも隣には立てないと思ってきたのか。
なぜ梢は慈には自分に無いものがあると散々言い立て、一方で自分は何度言われても可愛くないなどと固執してきたのか。

──ああ、それは本当にそう思ってきたからだったのです。

単なる謙遜でも仲間への称賛でもない。彼女たちとは違い、自分には勝つための努力しか何もないのだと。なのに勝つことができない、その絶望の中に彼女は生きてきたということです。


しかも去年を振り返れば、梢は沙知を止められず、慈を見捨てたまま、綴理をも騙し、何もかもをその手から零れ落とし他人を傷つけてまでスクールアイドルクラブの存続と勝利を求め、敗北以上の大きなものを失ったのが梢です。ただ何も無いだけじゃない、誰かをずっと犠牲にすらし続けてきた。それでも、彼女は勝てなかった。

梢は沙知も慈も本当に切り捨てたわけではないでしょう。しかし彼女自身が後から振り返る時、「自分は活動存続や大会勝利のために二人とも引き留め切らなかったのでは」という自責がずっと付きまとってたのだと思うのです。責めるのは自分、だから誰にも赦してもらえない、その辛さの中で彼女はあの冬の時代を過ごしてきたのではないでしょうか。


もちろん、梢とて新たに始まった103期の日々には様々な喜びを見い出してきたはずですが、それでも長いスパンでは彼女がずっとそう悔やみ続けてきたことを今回改めて知らされたのです。それが、何よりの衝撃でした。

結局のところ「梢センパイはなんでもできる」その実力値を認めないほど己に無知ではなくとも、彼女にとってその程度の「できる」は「勝つ」まで何の意味も無いものでした。

また我々読者も、例えばラブライブ作品のメインキャラだから「目標はラブライブ優勝!」なんて言うのはどこか当たり前と捉えて、これまでの物語の端々に梢の本気度が描かれてはいても、その深さと、その深さのために彼女が払ってきた犠牲、犯してきた罪の重さを、花帆と同じく我々も考えてこなかった──そう突きつけられた気がしました。

ここで改めて振り返ると、今まで「梢のちょっと面白いところ」とされていた全てが刃のように自分の心に突き刺さります。

早口オタクのような花帆語りは「自分には花帆しか誇れるものが無い」。
筋トレ好きは「持たない者でもやっただけ得られる成果」。
機械さんが苦手という面すら、黙っていればその立ち振舞いから「梢さま」と呼ばれてしまう彼女が「やっと見つけた、アイドルらしい自分らしさ」として無意識のうちにお得意の努力で克服しきらないようにしていたのかもしれません。


「運命の人」の本当の意味

あの時梢が持っていた一輪のガーベラの花言葉は「運命の人」。そんな情報がSNSを駆け巡りました。

しかし考えてみれば、花帆が梢にとって運命の人だなんてことは物語の中でもスリーズブーケの歌の中でも散々謳われてきたことです。ただそれだけなら、今更ストーリーの中で改めてモチーフとして持ち込まれる意味は薄いように思います。

今回、彼女はひとりで運命の花にすがって泣き、そして自分には何もないと告白した時にその花を手落としてしまいます。

その時に気づいたのです。今日までの梢にとって、花帆はむしろ「所詮、運命の人」に過ぎなかったのかもしれない、と。

梢が憧れた綴理の才覚や慈の可愛さ同様、花帆への感情も「何もない自分には無いものを持っている憧れ」が強かったのではないか。明るく、前向きで、ただひたすらにライブが好きで、その好きを見せることにためらいが無く、そして人を頼れて、物事を強く動かす力を持っている花帆。

自分に無いもの。あるいは梢自身が以前語ったように「以前の自分を見ているよう」すなわち「今は失ってしまったもの」を持っている、花帆。彼女との出会いはまさに「運命」だった──

でも、同じことの繰り返しです。梢はそんな運命の人がいても勝てなかった。
運命の人もまた自分の手から零れ落ちてしまう何かの一つだった。

この花が運命の人なのが重要なのではなく、それを落として、拾ったことが一番の寓意

あの時梢の手から滑り落ち、その傍らで涙に暮れた一輪ガーベラは、むしろそんな「ただ偶然出会った運命の人」の象徴、「ただ憧れただけで勝てずに手から零れ落ちた運命の人」の象徴だったように思うのです。

花帆にとってずっと梢は憧れでした。でも実は梢にとっても、花帆は憧れでした。
憧れは理解からは一番遠い感情──そんな言葉もあります。


しかし。

梢にとって花帆は、本当にずっと「ただ憧れた運命の人」に過ぎなかったのでしょうか?

もちろん違います。

半分はそうだったかもしれません。でも半分は絶対に違う。

思い出してください。そもそも梢は運命の人を座して待ってたわけではないのです。梢自身が第15話の中でも語っていたように、花帆が運命の人であると選んで自らの意志でつかみ取りに行っている

蓮ノ空の物語は、まぎれもなく乙宗梢の手によって始まったのです。

ただ花帆が動かしてくれた事態に乗るのではなく、花帆から学び、時に花帆に助けを求めることだって十分にやってきてる。今日だって、最初に梢は言うんです。

「よかったら、あなたも一緒に来てくれない?」

私たちが最後に知るその深い悔しさと絶望を隠しながら、部長としてメンバーに言葉を掛けに行く。その困難を前に、梢はちゃんと花帆の助けを求めてるんです。ただ辛い自分だけのためじゃない、それがメンバーのためにもなると理解しているのです。


何より、梢は確かに花帆という名の花を「今この場所で」咲かせたその人なのです。


だからこそ、花帆の仕事はその落としてしまった花を拾って、その手に戻してあげることだけだったのでしょう。

カワウソから逃げたあの日のように、今日もまた紅茶のカップによって花帆と梢は「偶然出会い」ます。

でもあの日、その偶然を運命に、自ら手繰り寄せる運命に変えたのは他ならぬ梢自身だったのです。そして今、その梢と共に確かに歩んできた花帆もまた、運命が拾い上げるのを待ちませんでした。

その花は自らの意志で梢の手の中に、隣に戻る

日野下花帆という花咲いた自分自身を、自ら梢の手の中に戻す。それこそが花帆の宣言だったと思うのです。

だって、花帆はもうここに戻る前に分かってたんです。
自分の悔しさは、後悔は、この人を優勝に連れていけなかったことだったのだと。

だって、花帆は知ったんです。
あの、夢のおとぎ話のような場所を。梢が心に描き続けてきた風景を。

梢の記憶と花帆の記憶は同じまばゆい光=「夢見ても、まだ見られていない世界」として描かれている

梢の夢を、ようやく、自分のものとして信じることができたんです。


今、花帆は夢を信じて苦しみながら歩いてきた梢を知りました。
その梢を信じるからこそ、花帆も歩いてゆける。

今、梢は自分の夢を信じて歩いて行ける花帆を知りました。
その花帆を信じて、梢もまた歩き出せる。


ああ、だからこそDream Believersの歌詞は一般的な「I believe dream(私は夢を信じる)」ではないのだと思うのです。
あの曲が歌うのは「Dream Believers, I believe(夢を信じる人を、私は信じる)」
そして「Dream Believers, You believe(あなたが信じる、夢を信じる人)」
蓮ノ空は、スリーズブーケは、その相互性で成り立つ関係なのです。

相手を花咲かせ自らも花咲く、憧れじゃない対等のパートナーになれた瞬間。
それが第15話の今日だったのでしょう。
梢からの「花帆」というその呼び掛けは何よりの信頼の証。
少しだけ驚いて、息を呑んで、そして力強く「はい」と彼女が答えた時。
隣を預け、背中を託せる、梢にとっての綴理や慈と同等以上の存在に花帆はなれたのだと思うのです。


だから、今なら堂々と言えます。「花咲けたね、花帆」。
だってあなたは今、立てば芍薬の花の隣に確かに立てているのだから。





追伸:それでも間違えたくないこと

この先はふせったーには書かなかったことです。

梢の絶望は、言わば美しい物語です
あの立ち振る舞いの中に隠してきた自己評価の低さ。周りの人間を傷つけてきながらも勝てなかったという絶望。そこから梢という人を再評価するのもまた読者としては感情を揺さぶられる楽しい行為です。

しかし、ここであえて触れておこうと思います。

乙宗梢だって、ただの17歳の高校2年生なんです。

幼い頃からの夢だったラブライブ優勝にあと一歩のところまで手を掛けて、敗れた。あと一歩、あと少しで叶うところだった。

その直後に、自分の全てが否定されたような感情に囚われるのは当然のこと

だから、あの時梢が言った言葉の全てを私たちはそのまま信じてはいけないのだと思ってます。彼女自身が瑠璃乃に語ったように、彼女もまた

「あと一歩の敗北の悔しさという眩しさに、少しだけ自分が見えなくなっている」

だけではないかとも思うのです。

実際、本当に梢は「勝たなければ、自分には何もない」と思い続けているのか?

そんな人が「今ここで、あなたたちと勝たなければ意味がない」なんて言いますか? 才能で選んだわけではない少女と優勝の夢を見たいなどと言いますか?

第12話でいみじくも梢がさやかに語ったように。
梢もまた、もうとっくに「持っているもの」を見つけてるんです。

ただ勝利だけじゃない。「今、ここで、仲間たちと、勝つ」こと。そんな「余分」を既に梢は持っているんです。乙宗梢は、仲間たちと共に夢を目指すという自分自身の道をすでに見つけて「輝いてる」んです。

だからこそ乙宗梢のスクールアイドルのきらめきは日野下花帆という運命を引き寄せたんです。一度ならず、今日この日という二度までも

そしてそれに気づけないほど、乙宗梢という人の目は曇っていない。
花帆という存在を得て、彼女は「今」をしっかりと見えるようになっています。

自己評価が低いのは確かでしょう。
勝利する日まで夢が叶わない、という呪いも本物でしょう。

でも、梢が今この期に及んでも勝利以外に何も見つけていない、自分は何も持っていないと「思っている」かのように受け取ってしまうのはいささか行き過ぎだと思うのです。


蓮ノ空の見晴らし台で、凛々しく「全員で願いを叶えましょう」と宣言した乙宗梢を。
花帆を頼りにして、今度こそ二人で夢に向かってゆける梢を。
夢を信じる物語を、今年も応援していきたいと思うのです。


異次元フェスから来たお前は今すぐ「Fes×LIVE@撫子祭同時視聴会」に参加し蓮ノ空楽曲の「文脈の強さ」を知れ

よく来たな。我々は蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん(公称)だ。

我々は毎月蓮ライブの過剰供給に過呼吸心停止して搬送され続けているが、今回アイマスラブライブ合同異次元フェスで「On your markロングトーンワッザ!?」「Dream Believers国歌斉唱」「ふーん、蓮の空ツヨイじゃん」「運命の人重点」「野中ここなの腰が良い 特に腰」などの悲鳴を聞いてうごく屍者として土中から這い出しお前たちを蓮ノ空の山中へと連れ去りに来た。

……だがこのパターンももはや3度目で公式のヌカリ無さに蓮の(中略)みなさんとしても公式を勧める以外の仕事がない。

オタクの千言に勝る公式の供給の中、中でも特に今晩YouTubeで配信される

「活動記録第7-8話+Fes×LIVE@撫子祭同時視聴会」

が二夜連続で語ってきた蓮ノ空の楽曲と物語の結びつきの真骨頂なので是非紹介させてほしい。ここが最後にして必殺の沼である


目次:




楽曲から来たお前たちになぜ「今」Fesライブ配信を推すのか

昨日まで2日連続で蓮ノ空の「ストーリー」そして「日常配信」が楽曲の文脈にいかに繋がるかを語ってきた。


そして今ここにようやく蓮ノ空三本柱の最後の一つ、キャラクター月次ライブ「Fes×LIVE」をお前たちに推す。

それは公式がお前たちニュービーの熱い声に応えて同時視聴会三夜目をライブ付きで実施すると決めたからで都合よく乗っかり……いや待て待て待て! それは確かにそうなのだが公式の考えも我々蓮(略)の考えもほぼ同じと思われる。

本来楽曲との結びつきなら真っ先に勧めてもおかしくはないキャラライブ。
だが、Fesライブは最後に来なくてはならないのだ

それは蓮ノ空において、ストーリーと日常配信が積み上げた物語の月次総決算こそが「Fes×LIVE」だからである。

この2つを知らずしてFesライブのことを聞いてもニュービーのお前たちはグラスフェッドバターモンエナなどを優雅に傾けながら

「ふーん、よくある3D MV流すだけじゃねーのウンババ」

などとジャングルの従順なエスイーの如き台詞でこれを受け止めていたに違いない。

だが、蓮ノ空のFesライブはそもそもの造りが音ゲーなどの3D MVとは大きく違う。

最大の特徴は「リアルライブと同じく完全に一回性、常に一度きりの舞台」ということだ。

  • キャストのリアルタイムモーキャプと生歌による毎回異なる個性と臨場感
  • 舞台は謎の派手なライブステージ等ではなく学校の音楽堂や金沢市内の屋外設営など物語設定ありきの構成
  • 照明点灯から壇上の入り・ハケ、MCなど一切の省略、シーンカットが無いフルセットライブ

そして何より

  • ライブの日までの物語を色濃く反映した「セトリ」
  • 必ず行われる物語文脈に沿った完全新曲披露(外部でのCD告知等一切無し)

これを毎月末行っているのが蓮ノ空のFes×LIVEである。

形態としてはむしろVtuberの音楽ライブが近い。そして新曲やライブ自体に向けたアーティストやコンテンツの日々の物語、文脈が繋がっているという意味では演者がバーチャルかリアルアーティストや声優かを問わず、まさに「現実のライブ」のそれと全く同じである。

最大の違いはその楽曲やセトリに結び付いた、創作による強力な物語そのものをお前たちがその日までに摂取していることだ。

こちらの物語性はどちらかと言えばアイドルやバンドなどのアニメ作品のライブ回に近い。しかし一方でアニメ作品とは違い、編集されたシーンを眺めるのではなくフル尺のライブを頭から終わりまでリアルに体験できるわけだ。

アニメでもいわゆる「ライブ回ノーカット演出」をやることがあるが、あれが毎月来るのが蓮ノ空とも言えよう。


余談だが毎月コレをやり新曲が出るので蓮の子たちは活動8ヶ月で既に各ユニット曲を13曲ずつ、全体曲8曲の20曲超を持っている(後発のみらくらは少々少ない)。驚いただろうか。大丈夫だ我々もかなりのペースで溺れている。

蓮のキャスト陣がリリースより1年超前から仕込みに入っていたのは配信演技のためだけではなく、この膨大な数の楽曲ロケットスタートに向けた振り入れもあったことは想像に難くない。


さらに余談だが、この毎月にFesライブのたびに全員に新規ユニット衣装または全体衣装が増える。なんなら髪型も毎回アレンジされたりする。当然ながら3Dモデルで。

3D MVゲーやVtuber界隈が「家賃を払っていない味™がする……!」と失禁して椅子から転げ落ちるのはこの辺りである。蓮の(略)みなさんも何故こんなことが可能なのかは分かっていない……ブッダ……



お前たちはストーリー、配信、そしてライブが繋がる瞬間を知る

ここで強力に聞いてくるのが、蓮ノ空が全てをリアルタイム連動で展開しているという事実である。

今月公開され、お前が「花帆さんの腕は梢だけの安全バー……」「夕霧綴理ツキマカセして……」などと感情になった物語、その物語を踏まえた日々の配信でお前が腕組み彼氏面で首を縦に2万回頷いた健気さ、その全てが今、そこで起こったこととして月の終わりにライブステージの形で結実する。

例えば蓮ノ空の配信はキャストのリアル体調不良で配信が中止になることが当然ながらある。そしてその月のライブMCでそれをキャラ本人の欠席として扱い「心配かけてごめんね」などとリアルタイムに織り込んできたりもする。おおなんという実在性であろうか! カホチャンおかえりフラワー!(蓮の民の歓喜の叫びその2)

更には蓮ノ空がストーリーも日常配信も、そしてライブも同一の3Dモデルで展開していることで、没入感、彼女たちの実在性はいや増すばかりである。

もはやお前たちの中で彼女たちは単なるアバターではない。

蓮ノ空のメンバーたちは、あの姿で日々を過ごし、配信で我々と触れ合い、そしてハレの日の舞台に立つ存在としてそこにいる。

今回のFesライブ同時視聴会が前段の「活動記録(ストーリー)」とセットなのもこれで頷けよう。

特に今回の第7-8話はサムネで予告されているように梢・綴理ら先輩たちの物語。蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん™の間では蓮の沼の如き感情湿度、もとい丁寧に過去の傷や人間関係を拾っていく大名作回として知られている。

元よりアニメ等でもライブ回はその多くが神回である。蓮ノ空でも屈指の物語性を誇る6月度Fes×LIVEは言わずもがな、現時点において蓮ノ空で神回ではなかった月次ライブは今のところ存在しない。安心してその身を委ねるがよい。

ある月などライブが2部制となり、幕間に休憩時間が挟まったかと思ったら唐突にストーリーが更新されその物語で顔面の水分を放出させられてから後半ライブに突入するという離れ業までやってのけたほどだ。

今宵、つづこず(訳者註:綴理と梢のフラワーな関係性)の高湿度物語からそのままライブに雪崩れ込んで共に味わおう。

ライブ会場から現実に還ってきた時、お前たちはもはや鼻の穴まで蓮の沼に浸かったどこに出しても恥ずかしい(原文ママ)立派な蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんの一員である。ようこそ蓮ノ空へ!!

応援上映という最後の隠し玉にお前は完全に膝をつく

ここにもう一つ、バーチャルとしては場外乱闘的ではあるが欠かせない要素に応援上映がある。

蓮ノ空では7月以降、毎月のFes×LIVEを各地映画館でリアルタイム上映、光るオタク棒に声出しOKの上映会を実施している。

蓮のFesライブが元々持っている高い実在性にリアルのライブ会場感が加わることで蓮の(略)みなさんの中でもリアルライブ好きは毎回椅子から転げ落ちて失禁している。これは事実である!

そもそもこのFes×LIVE、実は観客の声援は音として入っていない

あくまで画面上でペンライトの海が表現されるだけで、音は音楽と彼女たちの歌声、舞台としてのSEのみである。声援は我々の頭の中でリアルにこだましていて十二分に楽しめるのだが、応援会場の場ではこれが最高の臨場感をもって伝わって来る

それは例えば単に楽曲中に声援を送るだけではなく、乙宗梢が真顔で「蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん」と呼び掛けてきた時に「はーーーい」と返事してしまう、あの感情がお前たちにも味わえるということである。

お前たちの中にも知っている者がいるかもしれないが、やっていることはVtuberなどの投影型ライブに近い。あの盛り上がり、あの楽しさに通じるところがある。

だが蓮ノ空の場合、実際にやってみるとそれだけに留まらない、自分が蓮ノ空の世界に入り込んだ感覚が恐ろしく高い。

これは恐らく蓮ノ空が描いているのが仮想空間ではなく現実と地続きの金沢、そして実在性溢れるスクールアイドルであることが効いているのだろう。VRで現実の知っている場所を体験した時に近い。もしお前がアイマスPであれば、何年か前にあったデレマスVRで実在のアンフィシアターに立った時のうめき声を思い出してもらってもいい。


この物語世界への没入感を生かして、さらなる演出が展開されたこともある。

ある月、キャラの一人が決意を秘めて物語と完全連動したソロ歌唱を披露し、そこに送られた観客の声援で自信を取り戻す展開があった。この時、配信では日頃と同じく声援のSEは無い。

その時、声援を応援上映で送り届けた我々は確かに物語の一部と化したのである

この物語に入り込む稀有な体験もまた、蓮ノ空が繰り出してきた恐るべき表現手法の一つだったのだ……!




さて、次回12月度Fes×LIVEは12月28日といささか参加が大変な日取りではあるが、チケットの一般先着は12/22(金)10:00でまだ間に合う。今日の同時視聴回で「DEEPNESS……」になったお前は是非検討してみて欲しい!

www.lovelive-anime.jp




お前たちはライブ感という言葉の真の意味を知る

ところで繰り返すが我々は蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん(公称)である。

今宵、お前たちはその名前がライブ感あふれる現場で決まった瞬間を目撃するだろう。


そして機会があれば、一般公募の名前の中からコレを最終候補に残した戦犯偉大なセンスの持ち主、夕霧綴理キャストの佐々木琴子・通称こっちゃんに心の底から感謝を捧げて欲しい。いやマジで。

我々はこの名前のおかげで異次元フェスでもお前たちと繋がることができた。

これもまぎれもない事実である!!



それでは今月末のFes×LIVEで会おう!

異次元フェスから来たお前は今すぐ「ハロめぐちゃんねるYouTube同時配信」で待機して蓮ノ空の「実在性」を知れ

よく来たな。我々は蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん(公称)だ。

我々は日々蓮公式から降り注ぐ供給の滝に打たれ「待ってほしい溺れそうだ」と喘いでいるが、今回アイマスラブライブ合同異次元フェスで「爆上げカワイイヤッター」「ハクチューコラボかわかわ」「ふーん、蓮の空もやるじゃん」「ハーモニクス重点」「月音こなの顔が良すぎる 特に顔」などの悲鳴を聞いて滝行から全裸で飛び出してお前たちを滝壺に引きずり込みに来た。

……が、昨日までのストーリー同時視聴会に続いて公式もお前たちを逃がさない一大紹介キャンペーンが続いており、オタクの千言よりも公式のパワに殴られるのが一番である。

特に本日20:30からはストーリーと並ぶ蓮ノ空の三大柱の一つ「日常配信」

「ハロめぐちゃんねる年末スペシャル!」

としてアプリ内のみならずYouTubeでも同時配信されるのでこれを是非紹介させて欲しい。

目次:




楽曲から来たお前たちになぜ日常配信を推すのか

昨日は「なぜストーリー視聴から推すのか」をお前たちに書いた。

rennstars.blackcats.jp

これを読んで早速同時視聴会に参加したかしこいかわいいお前たちは既に

「花帆さん……かほさん……」「入部してくれれば毎日がHoliday」「梢の筋肉が全てを解決する」「村野つかささんアイドルに興味はありませんか」「夕霧綴理!」

などのうわ言を朝から呟いて楽曲への想いを深めているはずだが、蓮ノ空の日常定期生配信「With×MEETS」はそんなお前たちの妄想を遥かに超える「生きた姿」でストーリー上の出来事や楽曲について語り掛けてくるのだ。


例えばストーリー1~6話を終えた4月末の配信では、2ユニット4名が出揃った最初のライブに向けての配信が行われている。

www.youtube.com

これなどオタクが見慣れたいわゆる「ライブ直前配信!」そのものな上、よく聞いているとストーリー1~6話であった出来事が台詞の端々にほのめかされている。既にストーリーを読んでいるお前たちは

「ま、俺はさやかの決意の真の理由を知ってるんだけどな……」

などと最後方腕組み彼氏面を存分に楽しめるという寸法だ。

また4月の花帆の雑談配信では、雑談と言いつつ第3話でも触れられたキツい朝練の話がポロッと出て、慌てて配信を見ているかもしれない梢先輩に言い訳してたりもする。

youtu.be

この強力な「実在性」こそが蓮の配信の魅力である。

メタ無し、リアルカレンダー連動のストーリーとさらに連動した配信を行うことで、ストーリーで観たキャラクターたちが実際に金沢の蓮ノ空女学院で生きてスクールアイドル活動をして番組を届けている感覚をもたらしてくれるのだ。

実在の固有名詞であるハリポタなども好きな本として登場し、作中世界そのものが我々の現実世界と地続きな感覚すら得ることができる。

更にはストーリー側を後追いで拾うのではなく、配信中に何気なく言われた台詞が後のシナリオの強力な伏線にすらなっていることもある。また直球でストーリー更新直前に物語を動かす決意表明配信をしたこともあった。

例えばもしお前がみらくらぱーくの沼に浸かりたいと願うなら、ストーリー第10話を見る前に必ずこの瑠璃乃配信を見ておくとよい。これはこの時爆発四散した蓮の(略)みなさんからの辞世のハイクである。

www.youtube.com


ともあれ、

  • ストーリー(裏の顔)と配信(表の顔)との2本立てによる情報量
  • リアルタイムスクールカレンダー連動による地続き感

これが蓮ノ空を底なしの沼にしている最大の特徴なのだ……!


またも時間の都合が悪いお前たちへ:アーカイブもあるし1回は短い

「今日もちょっと平日だし時間が……」というお前たち。特に同時視聴会の長さにビビって配信もVtuberのように2時間3時間コースでは無いかと好奇心と恐怖心のせめぎあいで失禁寸前でも不思議はない。

だが安心して欲しい。蓮の配信は毎回30分程度で終わる

またアーカイブを追おうとすると本数の多さにお前はまたも失禁するかもしれない。
安心して欲しい蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん™も割と溺れて気絶しがちである。

だが回数こそ週3回程度で多いものの、基本的に今はお前たちがストーリーを追った分だけ、興味の湧いた子のその月の配信を優先して見れば良い。

日常配信はあくまでカジュアルに。

これもまた蓮ノ空の魅力の一つである。


慣れてきたお前たちはアプリで配信を見て真の沼を知れ

一方、YouTubeで観るのも手軽でいいのだが慣れてきたら是非アプリでリアルタイム本配信を味わうが良い。

先にも触れたがアプリ配信ではリアルタイムで蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんのコメントが流れ、彼女たちはそこからコメントを拾って会話を転がしたりする。このライブ感はどうしてもリアタイ参加でしか得られないモノであり、また自分のコメントが拾われた時の絶頂が何物にも代えがたいのは声優ラジオやVtuber辺りと同じである。

ちなみにスパチャっぽいのもあるが直接課金は無いので安心するがよい

(ガチャの副産物をプレゼントとして投げ、この報酬として各キャラごとのファンLvが計上される仕組みがある。リンクラはお前の推し度が可視化される実際恐ろしい推し活アプリでもある……!)

またこの「スパチャっぽいの」を一定数投げたカチグミ・ファンしか見られないアフター配信という更なる沼もありこれはYouTubeにも転載されないのだが、この沼はお前が蓮の沼に首まで浸かる頃にはすでに馴染みの水となってゴクゴク飲んでいるはずなのでここで深くは触れない。
※訳者註:無課金で投げられるプレゼントで十分視聴可能です!


「魂の中の人」蓮のキャストがもたらす驚異の実在性

いずれにせよ、先の記事でも触れたが蓮ノ空のキャスト陣は

完全にキャラと化し、配信でその子としての「公式」発言をリアルタイムで繰り出せる

ある意味声優の域を超えた即興劇の役者であり、Vで言うところの「魂」そのものである。

Vtuberなどに馴れてると当たり前に聞こえるかもしれないが、冷静に考えると本来声優さんはあくまで声の中の人であり、どんなにキャラ理解が深くても台本も無しにキャラとしての公式発言はできないたとえ技能的にできても本来ならコンテンツとして許されない

創作キャラは作品の世界観、公式ストーリーなどをシナリオライターや演出家など制作側が念入りに構築して生み出されるものであり、台詞一つとっても既存のストーリーや今後の展開予定などと矛盾することを口にすれば世界観が破綻してしまうからだ。

従来でもキャラが配信の体裁を取るコンテンツはあったが、それは事前に詳細な台本を用意してコメント拾いなどは「それっぽく」するだけか、その場限りのネタとしてメタに切り離してしまうしかなかった。


蓮ノ空はそれを入念な準備で覆した作品である。フラワー!(蓮の民歓喜の叫び)


彼女たちはリリースの更に1年も前からこのために準備をしてきたという。ちょっとした相槌一つ、フルトラッキングゆえに配信中のその子らしい手指の癖一つ、全てが出せるよう叩き込んできたそうだ。

実際、それでもキャスト陣はインタビューなどで「自分が言った言葉の全てが蓮の公式の歴史になる怖さ」を改めて語ってもいる。もちろんラジオトークなど同様大まかな台本は組まれていると思われるが、細部やコメントからの話題の広げ方がキャストのアドリブに任されていることもあちこちで明言されている。

アドリブで話してるなにげない発言でも蓮ノ空の歴史になるので、(他の子の配信も)かなり集中して聞いてますね。なるべく話題を拾って、次の配信でそのことについて言及するようにしています

《楡井希実、1st Live Tour ~RUN! CAN! FUN!~ パンフレット》

この辺、実はメンバーキャラのパーソナルな趣味設定をキャストが元々持ってる趣味に寄せることでキャストを助けると共に、キャストがより生き生きと話題を広げられる要素の一つにもなっている。

  • 読書好きでコメで実在書名が出てきてもぽんぽん拾える花帆/楡井希実
  • 紅茶好きでマリアージュフレールなどの話題がさらりと出せる梢/花宮初奈
  • リアル17歳高校生キャストのためテスト前ネタが異常にリアルなさやか/野中ここな

などなど。しかし一方で別にキャラの性格を演者に寄せているわけではない

キャスト番組などを見てもそのことはよく分かる。あくまで語れる話題の幅に中の人を生かしているだけで、彼女たちは見事にそれぞれの担当キャラクターを完全に脳内に住まわせてモードを切り替え配信に臨んでいるのである。特に趣味的な話題を使いにくい夕霧綴理を担当する佐々木琴子などはこの点でもかなり苦労したと話している。


さらにキャラが成長してだんだん配信が上手くなるなんてのも、ストーリー上のベタな説明などではなく実際に配信を見続けている我々が自然と気づけるようになっている。気になった方は是非村野さやかの配信を追ってみて欲しい。

www.youtube.com

自分の弱点を認識したさやかが配信内でさらにネトラジの体裁で「村野さやかのラジオ」を始め、パーソナリティ名「村長」にリスナー名「村人」を命名してコーナーを展開しお便りも受けつけ(送れます)配信スキルを高めてゆく──これは実は逆にストーリー側では一度も語られたことが無い。さやかの「表の顔」での努力物語なのである。


そしてお前は「ガチ恋製造機」ハロめぐちゃんねるの恐ろしさを知る

蓮ノ空6名による単独、ユニット、あるいは多彩な組み合わせが楽しめユニット越境好きもニッコリな日常生配信「With×MEETS」。

中でも蓮ノ空随一の配信上手を誇る藤島慈が今夜お届けするのが彼女の単独配信

「ハロめぐちゃんねる」

である。またの名をガチ恋製造機


www.youtube.com


彼女は8月末の正式加入までメインストーリーには断片的にしか登場せず、正式部員ではなかったため配信自体常にYouTubeで行ってきたが、その配信だけで見事にファンを獲得し続けた魔性の女である。

(※これはリンクラの配信機能「スクコネ」はあくまで正規スクールアイドルのもの、という作中設定が生きている)

実際ストーリーでの登場は第10話と遅めで、お前たちが今からそこまで追うのは厳しいかもしれない。

だが彼女の配信はプロフェッショナリズムに溢れ、ストーリーの匂わせもしつつ初見勢もガッツリ楽しめる配信構成をしてくるのが藤島慈というスクールアイドルなのだ。安心してみょんみょん待機するがよい

キャストは月音こな。蓮ノ空が誇るオタクにやさしいギャル(原文ママ)。

異次元フェスでは1日目蓮ノ空トップバッターとして会場を爆上げしたみらくらぱーくの「ド!ド!ド!」、シャニの「ラブ・ボナペティート」コラボで超絶カワイさ顔の良さをアピールしたかと思えば、2日目ミリオンの「ハーモニクス」を歌い上げクソ強カッコよさを見せつけた。彼女が気になった方も是非そのメンバーキャラクターサイドを体験して欲しい。

なお、今週は12/16(土)21:00にYouTube同時配信がもう一つ用意されている。

パーソナリティはHoliday∞Holidayで湿度の高さを見せつけた乙宗梢
慈がプロ意識溢れるアイドル構成で攻めてくる配信とすれば、対照的に梢はその凛々しさから繰り出される天然カワイイヤッターで視聴者を虜にする、ある意味慈が歯ぎしりするような存在である。こちらも是非期待していて欲しい。


さあ、ハロめぐちゃんねるを観て無事めぐ党党員(訳者註:慈のオタクのこと)になったお前は、もはや蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん™に片足どころか胸元まで浸かっていると言ってよい。抵抗は無意味だ。

もはやお前たちは蓮の泥沼の中で完全に自由である。「リンクラ」で好きなストーリー、好きな配信を追いまくり、やがて我々と同じように鼻の穴まで泥に浸かって他の者の足首を引っ張りに来て欲しい。


蓮ノ空にはこの他にも「毎月のキャラライブ」「リアルライブ」「キャスト番組」って沼もあるからね! ようこそ蓮の沼!!





追記(ハロめぐアフターアフター)

ハロめぐちゃんねる、いかがでしたか?

……ご新規さんどころか蓮の(略)みなさんも知らん情報てんこ盛りだったよ!
みんなの部屋も部屋配信で映る背景部分以外はほぼ新情報でしたね……

さておき、改めていかがだっただろうか。

例えば今回の配信ではつい先月までリアルで行われていた蓮ノ空1stライブツアー、ここにキャラとしても遠征で参加していた物語が存在しているため、それを完全に絡めたものとなっていた。

と言っても事前の配信での遠征予告、現地ではステージ上MCとしての展開であり、遠征先での日常などは描かれていない。

……ってところへ、現地でのホテルでの6人の一幕! 裏話エピソード!

6人が実際に遠征に行ってきた実在性がグッと高まり、各メンバーキャラらしさ、メンバー間の関係性などもにじみ出てくるトークの数々。こういう情緒と情報が週3回明かされる、それが蓮ノ空のWith×MEETSなのである。

今回はおそらく異次元フェスからのご新規さんも考慮してオフショットの形で他のメンバーも紹介していたが、これなども既にストーリーを知っているファンであれば「あの時のアレが置いてあるじゃん!」みたいなさりげない繋がりでまた妄想がはかどってしまうのである。小物がさりげなく増えていたり。

というわけで2023/12/13(水)のハロめぐちゃんねる配信、ストーリーを追う上での核心的なネタバレなどもなく(そもそもそういうケースは少ない)、期待通り蓮の日常配信の魅力がたっぷり詰まった一回である。リアタイ見逃した方も是非アーカイブなどで!!!

(通常だとアプリ内アーカイブが即日、YouTube側が1週間遅れになるが今回は元々YouTube同時配信だったのでそのまま残ってますからね!)

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