星崎レンスターズ [神慮の機械外郭]

サークル「神慮の機械」装丁人兼雑文係・10年来の同人二次小説屋の星崎連維が共和国の下僕として作品や同人話をしてます。なかみはようかん。

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【ネタバレ】シン・エヴァンゲリオン劇場版のシーン感想ダダ書き(前)

2021年3月8日、午前7時。シン・エヴァンゲリオン劇場版を観てきました。

註:ネット公開済みの「冒頭12分10秒10コマ」に言及する辺りから半ネタバレ、そっから下は同じノリで完全ネタバレが始まるので後はセルフサービスでよろぴくゥー。

(長くなったので前後分割)

TOHOシネマ日比谷

能書き

およそ25年、四半世紀前からの付き合いであったエヴァの完結編。「あのエヴァ」である以上は御多分に洩れず、期待と怖れとをないまぜにして向かった自分ですが、結果は直後に呟いたこの通り。想像以上に「良い」終わりでした。

エヴァの終わりとして、新劇シリーズはもちろん、TVシリーズ、旧劇の構成要素も一つ一つ丁寧に丁寧に拾って、生かして、それでいてしっかりと前へと進んで終わったのは見事という他ありません。

何より、単独の作品としても極めて出来が良かったし、庵野氏が折に触れて言及する「アニメーションという表現の可能性」をこれでもかというぐらい叩きつけてきた作品でもありました。端的に言うとオタクのツボを突くのがやっぱうめーな庵野サンよ!というヤツです。これはもうシーンの端から印象レベルのコメントでも残しておきたくなる。

しかし他方、「良かったというだけでネタバレになる」と半ば冗談、半ばド真顔で言われてしまうのもエヴァの呪縛、それに値するだけのことをやってきた(やらかしてきた)エヴァの歴史という積み上げでもあるわけです。本来ならtwitterに端書レベルの各シーンのフレッシュな感想でもダダ流したいところ、この夜上映がほぼ皆無なご時世下で週末まで見られない方も多いでしょうし憚られるところ。

多分、過去最高アクセスを記録したというふせったー辺りを使うのが王道なのでしょうが、そういえば他にも「テキストを残す」というメディアを保有してたな、と2億年ぶりぐらいにブログの存在を思い出したので(この辺りがSNS時代の哀しさよ)、ここに整理もせずダラダラと箇条書きで書き殴っておこうと思います。

この長々とした前書きを書かざるを得ないのがブログ敬遠する理由だよ!

冒頭12分10秒10コマ

  • 「16年ぶりのパリ」こういう台詞が如何にも似合うのがリツコという女なのマジ分かってる。それも髪をバッサリ落とした14年後エディションで。
  • 相変わらず真綾さんは外国語上手い無いネ(それが味)
  • キモエヴァ兵器44Bと4444C:いやーーもうこの発想大好き。事前公開の時から思ってましたが、Qのヴンダー周りに続いて「ゼーレや補完計画の縛りが無くなった人類というか大人がE計画由来技術を全力で軍事転用している様」がめっちゃリアルで好きなんですよ。
  • 特にATフィールドをガンガン応用してるのが最高。前回のATフィールド投射推進ですらスゲエと思ったのに、今回の44Bに到っては「2体のエヴァで発生させて干渉させると位相差で発電できる」マジで!w プルプルしてるのは発電機からの影響かと思ったら逆でプルプル発電なのか!

  • 陽電子砲の発射シーン、エヴァ序の醜悪なパロディってのが実にいい。ヤシマ作戦で日本中の電力とシンジやミサトたちの決死の覚悟でぶっ放した代物を、(威力は多分劣るとは思うけど)キモエヴァぷるぷるさせるとガンガン撃てちゃうんだよね、という厭らしさ。それを開幕シーンに持ってくるのも上手いよなぁ。
  • 単にヤシマ作戦の醜悪なパロディってのみならず、「エヴァに乗り、使徒と戦う」こと自体が「君にしかできないこと」じゃなかった、コアあればいいんじゃんってのを見せまくるのが露骨に出るシーンでもあったわなー。実際新劇では「理由はないわ」だし「君にしかできないのは葛城を守ること」と完全に入れ替わってるのをここで再認識させられる。いいね。
  • シールド付き戦艦をあの形に並べるの、ロー・アイアスじゃん!って思った型月ファンは少なくないはず。(テレビ版UBWの出来は素晴らしかったが、唯一アイアスの解釈が単なるドーム状バリア重ねだったのは不満だった。あれは「花弁」の重なったところだけが多重防御でしょう。まさにこれ!)
  • シールド戦艦が迫ってくる時の完全に覚悟のキマってるリツコの顔。あれ破で嫁と息子の血を顔面に浴びても微動だにしなかったゲンドウと思いっきり重なるんすよね。ある意味で、こっちの世界線のリツコがゲンドウに比肩する覚悟の人間になってることが端的に示されて最高によかった。
  • 後にニコイチ2号機周りで「JAリアクター」って言葉がバックグラウンドから飛び込んできて「ジェットアローン応用技術!?」って色めき立ったけど、改めてこのシーン見ると格納庫パーツ名にもJAって入ってる。いい匂わせ。

オープニングとぼとぼ

  • 全体的に全シリーズで出てきたシーンのリフレインなのがホントいい。それがこの有り様。Qのネルフ跡地表現にグッと来たのと類似の方向性。

第三村全景:村と外と、トウジとケンスケと

  • 最初は「はいはいベタな展開来たね、大人になってて子供もいるヤツね」と思ったトウジの登場。
  • でも第三村の辺りは全てにおいて「ベタでありがちな印象を後からキチッと覆す」作りだったのがいい。トウジやケンスケのような人間模様も、第三村の成立している背景も。
  • 初回でふと気付いて当日2回目に注視してたけど、この診療所が出てくるシーンって終盤にトウジとケンスケが語るまでクレーディト提供の治療ブースが巧妙に隠されてるアングルばかり。意図的よね。
  • 牧歌的で理想的な第三村の風景⇔ネルフやヴィレの異常な環境。大人になり子供を持ち「真っ当な」人生を歩んできているように見えるトウジ⇔エヴァに乗り、否定される以外の人生を持たされなかったシンジ、というコントラストが前半描かれるけど……
  • 後半、「お天道様に顔向けできないこともしてきた」トウジ、クレーディド無しでは、ヴィレの結界対策が無ければ成立しえない村。「異常」の側で戦う組織や、アスカが言う「守る人」の側無しには生存もできない現実をキッチリと描いて、「真っ当な世界」や「大人」って何?という話にしてるのがやっぱ印象的。
  • 「大人になれ」「外に出ろ」では済まない世界、ああ本当に完結するんだエヴァ、ってこの辺りで思った記憶。
  • 空中に結界固定されたオブジェクトの中で送られる普通の暮らし、みたいな画がマジで強い。
  • 「ここで皆の一員になって暮らすのが一番」と心からの思いやりで語り同意を求めるトウジと、肯定も否定も返さず、ただ「シンジはそういうん『だけ』じゃないんだよ、きっと」という表情だけを向けるケンスケ。
  • 公開日の感想で「また大人になって結婚して子供持てよかよ庵野」ってのを見かけたけど、いやいやいやこのワンシーンだけでも「そんな単純には選べないのが人生」って話を思いっきりしてるじゃんねぇ。
  • シンエヴァは初めて「思い切り常識人で、常識の側で生きてる人物」がゾロゾロ出てきたおかげで、シリーズ中で一番「ちょっとした表情による人間ドラマ」が描かれてる気がする。今までキチガイや裏と匂わせしかないヤツばっかだったからよ!

第三村全景:アヤナミ、アスカ

  • 田植え綾波。いやなんで「これが、カワイイ」って認識できるのかというツッコミが野暮なほど楽しい。くっそくっそこんなことで。
  • まがい物であるとQで突きつけられたアヤナミ個体の扱いどうすんのかなと思ってたし(本人でない者に救いを与えてもシンジは救われない)、タイムリミットが匂わされた時もシンジを戻す動機にでもすんのかと思ってたら。
  • シンジにはシンジで足場を取り戻させ、その上で「まがい物」にこうまで外の世界を知らしめた上で消し飛ばすとはな……この辺はもう作劇として上手い。アヤナミが得たものは全部、シンジが気づいていくべきものだった。拾ったら返す。最後の最後にDATとゲンドウのとこでこれも「拾った」よなぁ。
  • 破裂して立ち昇る十字光と虹。LCLと自我境界≒ATフィールドによって成り立つ生命(の亜種)、ってのは旧劇からの人間はするっと受け取っちゃうけど、新劇でこうもストレートに描かれたことなかったよね実は。Qですら。
  • こういう仕込みの辺りで「あ、旧作も拾ってくんだ」と気づいたなー。
  • ほぼ唯一Qの理不尽ノリを維持してて、常識人の中ゆえに尚更「ガキ」に見えてしまうアスカ。……を、これまた念入りに拾ったなぁ。ケンケンとの絡みの少なさ、説明されなさは相変わらず不憫の子やなとも思ったけど、この辺の描写は終盤生きてくるねぇ。

ヴンダー再搭乗

  • 爆破隔離部屋。Qで「なんでシンジに碌に説明もせずあの扱い?」ってよく話題になったけど、個人的には「今この瞬間にニアサーの続きおっぱじめる可能性もある個体に親切丁寧に情報入れるアホおる???(あの時点でそれが無いと確信できてるのは多分パパだけ)」と思ってたので残当だったし、今回アスカもマリも同程度の扱いだと分かり尚更納得。
  • 急にピックアップされてくるピンク髪のキレっぷり。あれはQで「その辺読み取れない人が多かった」が故の説明キャラだなという認識。ミソギ。寓意が深い。
  • 播種船。まー正直この加持サン周りは後付け臭があったw 子作りはまだしもねー。SF的には「なるほど長期にわたってATフィールドも展開して宇宙放射線から守る仕組みね」みたいな納得はあったけど。
  • メロンに思い入れつけるのも、どっちかっつーと旧作よな。でも、すごくいい。
  • アスカとシンジ。片方だけが「大人」になってしまった表現がよーーーーーやく出て来る。嗚呼。「あの時は好きだった」、こんなにベタで、いい台詞が、まさかエヴァで聞けるとはな……
  • というか、アスカとシンジの結末がこの歳の差ネタで締まるとはあの頃は思わなかったし、個人的には、すごく好き。「あの時は好きだった(でも母親にはなれない)」。ああ、嗚呼……!
  • 破のあのアスカ3号機でのシンジに対する「言うてお前以外誰が救えたんだ?」をここでちゃんと拾うんだな、自分で拾えるだけのものをシンジが得てたんだなという感慨。これ第三村で得たものというより、破のラストで得ていたものを取り戻したという感覚だろうなぁ。
  • これまた本当に、エヴァが終わるんだという感慨に繋がってくる。
  • リツコの役回り、ミサトの代弁者。この腐れ縁描写、旧劇までは上っ面な感覚があったものが一気に深まってるの、この世界線ならではの物語でいい。
  • 出航まで30分→25分。副長マージン!w こういう管理職的な表現も地味に好きなのです!
  • 「シンジさん」、Qでメンタルやったけど、破ラストでの成長は決して無になったわけでは無く、覚悟はキマっていた「まま」だったのだな、と表情だけで分かるの良すぎですね。


長くなったので後半に続く!

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